日米首脳4月決着目指す TPP、合意断念し継続

 【共同】環太平洋連携協定(TPP)交渉の閣僚会合は25日、難航分野の対立が最後まで解けず、「大筋合意」を断念して閉幕した。農産物と自動車の関税撤廃で対立する日米協議の決着は4月下旬の首脳会談に持ち越され、TPP交渉全体も同時期にヤマ場を迎える。

 参加12カ国は閉幕後に「最終的な協定に向けて前進した」とする共同声明を発表した。今後も交渉を継続するが、日米首脳会談が物別れに終われば交渉は一気に推進力を失う可能性がある。

 次回閣僚会合は声明には盛り込まれなかったものの、5月17〜18日に中国・青島で行われるアジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会合の前後に開く方向で調整している。開催地は青島の近隣を含めて検討されそうだ。

 4月には場所は未定だが首席交渉官会合を開く予定となっている。

 甘利明TPP担当相は共同記者会見で「日米が妥結することが重要だ」と協議の前進に意欲を示した。その後の単独会見では「全体として方向感が出てきた。決裂でもなく漂流でもなく、次に向けた良い前進ができた」と述べた。

 ただ、今回の会合では関税をめぐる日米対立のほか、知的財産や国有企業改革でも米国と新興国の間で意見の隔たりが埋まらず、早期妥結は見通せない。ニュージーランドのグローサー貿易相は記者会見で「妥結に近づいたが物品市場アクセスが残っている」と述べ、関税協議が最大の障壁になっていると指摘した。

 12カ国は共同声明で「幾つかの論点が残っているが、課題を解決する道筋を付けた」と閣僚会合の成果を評価した。関税撤廃を扱う「物品市場アクセス」でも幅広い2国間協議の結果として「進展させた」と強調し、できるだけ早期に高い水準の自由化を実現するとの決意を重ねて示した。(共同)

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