治安部隊離反が引き金に 内務省高官、デモ隊と内通

 【共同】ヤヌコビッチ政権崩壊の引き金を引いたのは、反政権側とひそかに連絡を取っていた内務省の治安部隊が離反したことだった-。24日付のニューヨーク・タイムズは関係者の話を基に、ウクライナでの政変の内幕を報じた。

 同紙によると、首都キエフの独立広場を拠点にしていた反政権デモ隊の幹部は、治安部隊を指揮する内務省の高官1人と、部隊撤退について直接交渉していた。両者の交渉は、最高会議(議会)の議員が仲介した。

 19日に反政府勢力が西部リビウで内務省施設から武器を奪取し、キエフに転戦。20日には現場から離脱する治安部隊員も出始めるなど政権側の士気低下が目立つようになっていたことが、交渉で反政権側の立場を強くしたという。

 デモ隊幹部は20日正午ごろ、携帯電話に連絡してきた内務省高官に「治安部隊が撤退するなら、彼らの身の安全は保証する」と告げた。治安部隊の撤退時には脱出経路を設定し、治安部隊員のバスを、デモ隊の車が先導する場面もあった。

 ヤヌコビッチ氏と野党側は21日、大統領選挙の前倒しなどに合意。野党側との合意仲介のためキエフ入りしたポーランドのシコルスキ外相は同日午後、大統領府を警備していた治安部隊員数百人が突然姿を消したのを目撃し「驚いた。隊員がバスに飛び乗って去っていった。合意には盛り込まれていなかったことだった」と話した。

 ポーランドとドイツ、フランスの3カ国外相との会談では当初、大統領選の繰り上げに難色を示していたヤヌコビッチ氏。しかし会談の途中でロシアのプーチン大統領から電話が入り、中座したヤヌコビッチ氏が戻ってくると、一転して大統領選の時期設定に合意した。後ろ盾となってきたプーチン氏の意向が、ヤヌコビッチ氏を動かしたとみられる。

 ヤヌコビッチ氏は21日の合意後、東部ハリコフに向かった。当初から予定されていた出張で、自らが権力の座から追われようとしていることにはまだ気付いていない様子だったという。側近の1人は「ヤヌコビッチ氏は最後まで幻想の中で生きていた」と振り返った。

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