工場改良の公的支援要求を撤回〜カナダでクライスラー
- 2014年3月6日
- 米国ビジネス
カナダ・オンタリオ州ウィンザーにあるミニバン工場の設備刷新などで同国政府に経済支援を求めていたクライスラーは4日、要求を取り下げて自力で資金を調達する方針を表明した。5年前に29億ドルもの公的支援を受けた時とは打って変わった周囲の冷たい反応に、再考を余儀なくされた形だ。
ニューヨーク・タイムズによると、クライスラーの親会社フィアットのセルジオ・マルキオンネ最高経営責任者(CEO)は1月、カナダ政府がウィンザー工場に経済支援を行わなかった場合、次世代型ミニバンの生産を他工場へ移す可能性をほのめかした。
ところがこの発言は政財界の強い反発を招き、特に同州進歩保守党のティム・フダク党首はマルキオンネ氏の要求を「地域に対するいじめだ」と呼んで不快感を表明した。
クライスラーの要求は、米国に対する最大の自動車輸出国だったカナダが急速にメキシコに追撃されている時期と重なった。GMとクライスラーが経営破綻した2009年、メキシコは米国とカナダのように政府救済をしていない。自動車業界が10年から12年に北米で行った423億ドルの投資のうち、カナダへの投資額はわずか23億ドルだった。
ノバスコシア銀行によると、クライスラーは13年、カナダで57万2000台を生産し、GMに次ぐ2位の自動車メーカーだった。生産の大半はウィンザー工場で行われている。
14歳からカナダで育ち、ウィンザー大学で学士号と経営学修士号を取得したマルキオンネCEOは、イタリアとカナダの二重国籍を持っている。
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