NYC、通勤電車にモバイル乗車券を導入 〜 英企業マサビの技術を採用

 ニューヨーク市周辺の消費者は、通勤電車の切符を携帯電話で購入できるようになる見通しだ。電子化された切符をスマートフォンの画面に表示して見せるだけで改札を受けられるようになる。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ニューヨーク州都市交通局(MTA)は、NY市と近郊をつなぐ通勤電車を運行するメトロノース鉄道とロング・アイランド鉄道(LIRR)でモバイル乗車券を提供するために、英国の新興IT企業マサビ(Masabi)と技術契約を結んだ。現時点では、市内の地下鉄はその対象外。

 マサビのベン・ウィテカー最高経営責任者(CEO)によると、モバイル乗車券用アプリケーションの提供開始時期は未定。

 メトロノースとLIRRは事業規模や職員、乗客数が極めて大きいため、計画と訓練、試験に時間がかかり、数ヵ月では準備できない可能性が高いという。

 「ジャストライド」と呼ばれる切符販売方式では、携帯電話を使って片道切符から1ヵ月の定期券までさまざまな乗車券を数秒で購入できるだけでなく、電車の到着予定時間や路線図、時刻表の情報も入手できる。

 改札は、車掌が持つアイフォーンに代表される携帯機器でモバイル乗車券をスキャンして行われ、MTAは切符の販売や乗客のシステム利用状況といったデータを即時に入手できるようになる。

 メトロノースとLIRRの運賃収入は年間約10億ドル。マサビはMTAより大きな組織を含む18の主要輸送機関と取り引きがあり、ロンドンの水上バス「テムズ・クリッパーズ」やマサチューセッツ湾交通局、サンディエゴ都市交通局にもモバイル乗車券を供給している。

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