カーギルも農業データ分析開始〜農家向け、収穫の最大化を支援

 穀物大手カーギル(ミネソタ州)は、土の状態や種まきの方法、天候変化のデータなど農家が収穫を増やすために有益な情報をソフトウェアで提供するサービス「ネクストフィールド・データRX」を開発している。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、ミネソタとサウスダコタではすでに今夏からサービスを始めており、数年かけて他地域にも事業を拡大する計画で、先行するモンサント(ミズーリ州)やデュポン(デラウェア州)などに対抗する。

 カーギルは、新サービスによってトウモロコシ農家の収穫が5〜10%増加すると見込んでいる。農家はサービスを通じて、異なる土壌や環境における種子の生育状況に関する詳細なデータベースを基に、自分の畑に最も適したタイプの種子を選べるほか、その畑でどれほどの収量が見込めるか、防虫や防カビで最もふさわしい農薬は何かなどを判断できる。60平方フィートの狭い畑でも、250の異なる変数を用いた分析が可能だという。

 こうした技術は「規範植栽(prescriptive planting)」と呼ばれ、20世紀のトラクター発明や1990年代の遺伝子組み換え種子の台頭と並んで北米農家の重要な道具になる可能性がある。

 この分野では、種子大手モンサントが2013年、農家の天候リスクを分析する新興企業クライメート・コーポレーション(カリフォルニア州)を9億3000万ドルで買収し、より広範なデータ・サービス事業を構築中。デュポンも今年、ミズーリ大学および農務省とハイテク技術を駆使した高度な土壌分析開発に関する契約を結んでおり、同社は農業データ・サービス事業が今後10年間で年商5億ドルに伸びると予想している。

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