エクソン、加州の製油所売却へ〜州内の同社施設はゼロに

 石油大手エクソンモービルが、カリフォルニア州ロサンゼルス近郊のトーランス製油所を売却する方針を決めたことが分かった。同州は環境基準が厳しく、石油大手各社の間では製油事業撤退の動きが相次いでいる。

 ロイター通信が消息筋の話として伝えたところによると、トーランス製油所はエクソンが同州で運転する唯一の製油所で、1日の処理能力は15万5000バレル(bpd)。同社が国内で保有する6カ所の製油所の中では下から2番目の規模となる。

 消息筋の1人は「トーランスは(売却に向けた)精査の対象になっている」と述べた。エクソンの報道担当者は、市場のうわさや臆測に対する論評はしないと前置きしながら「戦略的な事業目標に沿って全世界の事業や成長、再編、売却機会の配分を定期的に評価している」と述べ、今後もカリフォルニアで事業を続行すると付け加えた。

 英大手BPは昨年、カーソンの製油所を精製大手テソロ(Tesolo、本社テキサス州)に売却し、同州での製油事業から撤退した。英蘭シェルは2007年、ウィルミントンの製油所をテソロに売却して同社が州内に所有する製油所は1つだけとなっている。

 加州の厳しい環境規制は製油所の州内での運転を難しくしており、すでに2カ所以上を操業しているシェブロンやコノコフィリップス、テソロ、バレロなどは新たに他の施設を買収する能力が限られている。それでも独立系精製業者のPBFエナジーは加州での精製所購入を検討しているといい、エクソン施設を引き受ける可能性がある。ほかにもプライベート・エクイティ会社などが売却先として考えられるという。

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