法人向けアプリケーションいちばが台頭 〜 企業IT部門の痛いところを解消

 近年における法人向けアプリケーション市場(いちば=マーケットプレイス)の急成長は、面倒な調達手続きをはじめ、長期契約にもとづく特定技術や企業による「しばり」に嫌気を感じる企業IT部門からの需要を受けて実現した。

 各社のIT開発者たちは新興技術の導入に前向きだが、最高技術責任者(CIO)レベルでは必ずしもそうでないのが一般的であり、その緊張関係が「ITの開発業者化(developerization of IT)」という新傾向を誘発し、法人向けアプリケーション市場を成長させた。

 テッククランチ誌によると、IT部門では、IT革新の基盤としての開発者の潜在能力と、時代遅れの基幹網や労働慣行とが相容れないことがあり、企業のIT調達手続きは、開発周期の短期化や、導入が簡単なクラウド基盤サービスにはもともと適さない。それに不満を抱いた企業IT部門の開発者らは、企業から正式に承認を得ることなく社内でソリューションを構築し利用してきた。

 それらはシャドーIT(Shadow IT)と呼ばれる。それによって、開発者らは必要なときに必要なサービスを利用できるようになった。しかし同時に、管理者が導入サービスに対する管理権限を失う危険も指摘される。

 開発者を支援し、かつシャドーITにともなうリスクを避けるために、マイクロソフト(Microsoft)やレッド・ハッド(Red Hat)、IBM、サムソン(Samsung)といった技術大手は、アップ・ストアー(App Store)やグーグル・プレイ(Google Play)の法人向け版への投資を強化してきた。

 たとえば、IBMは4月に、クラウド(Cloud)マーケットプレイスを顧客向けに立ち上げ、レッド・ハットも同月に、オープンシフト・マーケットプレイス(OpenShift Marketplace)を開設した。

 そういった法人向けアプリケーション市場(いちば)の構築と保守管理を手掛ける業界も生まれている。たとえば、サムソンのKNOXマーケットプレイスを含む多くの市場(いちば)は、創業5年のアップダイレクト(AppDirect)によって構築、運営されている。

 一方、企業IT部門ではモバイル優先サービスの構築が優先事項となりつつあり、迅速なモバイル移行を支援するツールも数多く登場している。

 アマゾン(Amazon)のAWSモバイル・サービス(AWS Mobile Services)やグーグル(Google)のモバイル・バックエンド・スターター(Mobile Back-end Starter)、マイクロソフトのアジュール・モバイル・サービス(Azure Mobile Services)はその例だ。

 企業IT部門にとってそれらを利用する利点は、調達手続きにおいて摩擦を減らせることや、シャドーITと違い導入技術やツールについて透明性を向上できること、そして、開発業務を合理化できることだ。

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