JPモルガン、個人7600万人と700万社分が被害 〜 夏に受けたハッキング攻撃

 米金融大手JPモルガン・チェイスが2014年の夏に受けたハッキング攻撃で流出した口座情報は、個人7600万人、中小企業700万社分に上ることが明らかになった。当初予想された100万件を大幅に上回った。2日に提出された政府当局への報告で分かった。

 ニューヨーク・タイムズによると、JPモルガン・チェイスへの攻撃は6月に始まり、発見されるまで約2ヵ月続いた。

 ハッカーによるサイバー攻撃は最近、ターゲットやホーム・ディーポといった米小売チェーン大手で続出した。しかし、JPモルガンへの攻撃がサーバー90台を超えたことで、サイバー犯罪に対する金融大手の弱さが明確になった。

 ただ、流出情報によって現金または資産の不正引き出しが行われた例はまだ報告されていない。

 米政府当局やセキュリティー専門家のあいだでは、ハッカーたちの背後にロシアや東欧諸国の政府が存在するという見方もある。

 ハッカーがどのよにしてJPモルガンのコンピュータ・システムに侵入したかは、いまのところ不明。

 しかし、ハッカーらが同社のコンピュータで標準的に使われるアプリケーションやプログラムを多数盗み出したことは危険視される。ハッカーらがそれらのアプリケーションの弱点を調べ上げて、新しい侵入方法を見つけようとすることも考えられるためだ。

 同社がそれらすべてを交換し、ソフトウェア業者とライセンス契約を再び交わすには数ヵ月を要するとみられる。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る