コンステレーションとコムヴァージが事業を合併 〜 米最大の商業用DR会社に
- 2014年10月13日
- 環境ビジネス
コンステレーション・エネルギー(Constellation Energy)とコムヴァージ(Comverge)は、需要反応(DR=demand response)事業を合併させることで合意した。その結果、商業用の需要反応の分野で全米規模の企業が誕生することになる。
商業規模の需要反応市場では最近、大型合併がいくつかあった。コンステレーションとコムヴァージによる商業需要反応事業の合併は、そのなかでも最大規模になる。
グリーンテック・メディアによると、両社は米国内各地にある工場やオフィス建物、倉庫、そのほかの事業所を稼動して、数メガワットに上る需要反応を実現する。
両社の契約は現時点ではまだ最終化されておらず、2014年末までに成立する見込み。成立すれば「業界最大の需要反応企業が誕生する」と、7日の発表資料で2社は説明した。
契約の金額やメガワット相当の事業規模は公表されていない。
新会社では、コンステレーションが少数派株主となり、コムヴァージを2010年に4900万ドルで買収したHIGキャピタルが過半数株式を保有する。
コムヴァージの商業需要反応事業は、2007年に買収したエナーワイズ・グローバル・サービシズ(Enerwise Global Services)からの事業資産が多くを占める。
コムヴァージは、個人住宅および小規模事業者向けの需要反応事業を今後も単独で維持する。HIGが2012年に同社を非公開化した時点で、同事業の売上高構成比率は約60%だった。
コンステレーションは、シーパワー(CPower)を2010年に買収して商業需要反応事業を取得した。その後、新規顧客や新技術を追加し、2013年時点で1300メガワット以上の需要反応容量を有していた。ニューヨークやニューイングランド、ペンシルベニア、カリフォルニア、テキサスをおもな市場としている。
ただ、コンステレーションは2012年にエクセロン(Excelon)に買収されたこともあり、需要反応事業への戦略はやや不明確だ。今回のコムヴァージとの合併合意により、ほかのエネルギー小売事業から需要反応事業が切り離される可能性が高い。
新会社は親会社から独立して経営される。7日の発表資料によると、コンステレーションは「新会社を通じて電力およびガス顧客に需要反応サービスを引き続き販売していく」。
商業規模の需要反応市場では競争激化が増している。2万4000〜2万7000メガワットの容量を持つ米国最大のサービス会社エネルNOCがいるほか、NRGエネルギーもエネルギー・カーテイルメント・スペシャリスツ(Energy Curtailment Specialists)を2013年に買収して2000メガワット以上の容量を手に入れた。
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