シーメンス、潮力発電事業から撤退

 ドイツの総合電機大手シーメンスは11月30日までに、潮力発電事業マリーン・カレント・ターバインズ(MCT)を売却する意向を固めた。

 ブルームバーグ通信によると、市場や供給網の開発に想定以上の時間がかかっているため、市場撤退を考えている。売却には数カ月を要する可能性が高く、従業員45人が影響を受ける。

 英調査会社ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスは今年8月、20年の潮力発電による世界出力予想を148メガワット(MW)と従来予想から約11%下方修正しており、関連技術の開発に予想以上の時間とコストがかかっていると指摘した。

 シーメンスは潮力発電産業について「将来は産業として成り立つ規模に成長するだろうが、資源が限られており、シーメンスにとっては市場が小さ過ぎる」と見ており、売却先が見つからなければ関連社員と相談し、合理化の際にはまず社内での配置転換を優先的に考えるという。

 MCTは、英ウェールズで進めていた潮力発電所建設事業を8月に停止しており「展開戦略を見直し中で、サプライヤーや他の主要関係者と別の機会を話し合っている」と説明していた。

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