出演報酬など極秘情報漏らす〜ソニー映画子会社狙ったハッカー
- 2014年12月5日
- 米国ビジネス
先週ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメント(SPE)のシステムに侵入しネットワークをダウンさせたハッカーは、盗んだ情報を公開するとの予告通り、北朝鮮を題材とした同社の新作映画「ザ・インタビュー」の制作費や幹部・俳優の報酬などさまざまな内部情報を暴露した。
ブルームバーグ通信によると、4日までに公開された情報には、映画の脚本、監督、主演を担当したセス・ローガン氏が受け取った報酬(840万ドル以上)のほか、幹部らの年収、社会保障番号、クレジット・カード番号、未公開テレビ番組の脚本といった極秘情報が含まれ、SPEの内部を露呈する内容となっている。
今月25日に米公開予定の同作品は、北朝鮮の金正恩第1書記の暗殺計画を主題にしたコメディで、ハッカーはこれに反発した北朝鮮関係者と見られ、ダークソウル(DarkSeoul)と呼ばれるグループが関わっている可能性がある。
このほかハッカーは、未公開作品を含むSPEの映画5本をファイル共有サイトで無料公開している。リークされた情報によると、ソニー・エンタテインメントのマイケル・リントン最高経営責任者(CEO)とSPEのエイミー・パスカル会長の年収は300万ドル、映画の制作費は4400万ドル、共演したジェイムス・フランコ氏の報酬は650万ドルだという。
制作費に関する情報には通常は公開されない項目も含まれ、例えば小道具と見られる「テーブルに置く大麻、コカイン、ピル、パンティ」の項目には250ドルの予算に対し実際の費用は241ドルだったなどと詳細に記録されている。
今回の攻撃には、データを消去し何千台ものコンピュータ・ネットワークをダウンさせて会社の業務を妨害できるいわゆる「ワイパー・ウイルス」が使われた。ダークソウルは、2013年3月に韓国の銀行や放送局のコンピュータも攻撃している。
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