アップル、競合の楽曲をiPodから無断削除

 アップルの携帯音楽プレイヤー「iPod(アイポッド)」をめぐる反トラスト法(米独禁法)集団訴訟で、原告代理人はこのほど、アップルが2007年から09年の間、アイポッド利用者が競合の音楽サービスからダウンロードした楽曲を無断で削除していたと主張した。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、カリフォルニア州オークランドの連邦地裁で3日に開かれた口頭弁論で、原告側のパトリック・コクリン弁護士は、アイポッド利用者が他社のサービスから楽曲をダウンロードし、アップルの音楽配信サービス「iTunes(アイチューンズ)」とiPodを同期させようとした際、アップルがエラー・メッセージを表示してデフォルト(工場出荷時)設定にリセットするよう指示したと述べた。

 利用者が表示に従ってリセットするとダウンロードした楽曲が消えていたといい、コクリン氏はアップルがシステムを「利用者にこの問題を知らせない」設定にしていたと指摘した。

 訴訟では、06〜09年にアイポッドを購入した個人や企業がアップルを相手取り、競合を不当に妨害したとして約3億5000万ドルの損害賠償を求めている。反トラスト法により、賠償額は最高でこの3倍になる可能性も有る。

 これに対し、アップル側は正当なセキュリティー対策であると反論。代理人のオーガスティン・ファルージャ弁護士は、アップルがより詳細な情報を提供しなかったのは、利用者に必要以上の情報を与えて混乱させたくなかったためだと説明した。

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