UT、ヘリ部門の分離を検討〜ユナイテッド・テクノロジーズ

 ユナイテッド・テクノロジーズ(UT)は11日、シコルスキー・エアクラフト(Sikorsky Aircraft)事業について一部の分離・独立(スピンオフ)を含む戦略的選択肢を検討していることを明らかにした。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、UTはシコルスキーのヘリコプター部門スピンオフも視野に、検討作業を年末までに終える見通し。

 シコルスキーの2014年売上高は75億ドル。軍用機で有名な「Black Hawk(ブラック・ホーク)」をはじめヘリコプター製造では世界大手の一角を占める。軍用・商用ヘリを供給するほか、納入額では国防総省最大の調達先であり、軍民向けに交換部品や整備サービスも提供している。

 UTでは昨年11月、最高経営責任者(CEO)が突然交代した。最高財務責任者(CFO)から昇格したグレゴリー・ヘイズCEOは12月、事業全般を見直す意向を示したものの、シコルスキーの売却は否定していた。

 1925年創業のシコルスキーは、UTの事業の中で最も売り上げが小さい。近年は国防予算の緊縮や原油価格の急落による油田サービス業界向けの需要低下で市場も活気が薄れている。それでもシコルスキーは、ロッキード・マーティンと共同の大統領用ヘリ製造を含め複数の大型契約を獲得している。

 UTの事業見直し作業には、JPモルガン・チェースがアドバイザーに加わっている。

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