仮想現実技術が広告に革新をもたらす 〜 商品の仮想体験機会を消費者に提供

 フェイスブック(Facebook)傘下のオキュラス(Oculus)をはじめ、サムスン(Samsung)やソニー、マイクロソフト(Microsoft)によって、仮想現実(Virtual Reality=VR)機器の市場が大きく動き出すなか、VR技術が広告業界に革新をもたらす可能性が期待される。

 フォーブス誌によると、消費者が商品やサービスを体験できるようにすることは、広告業界がこれまで求めてきたことだが実現が難しい課題だ。

 広告業界は近年、消費者が動画を見るといった受動的な技術の限界に縛られ、同じようなメッセージを訴求する他社製品もたくさんあるため、消費者の注意を引くのも困難だ。

 しかし、VR技術を応用すれば、現実から隔離された世界に消費者を取り込み、商品を仮想体験できる機会を提供できる。たとえば、映画を見ている場合に、主人公が危機一髪から逃れるためにアウディ車に飛び乗ると、視聴者は一緒になって車の内装の雰囲気を感じながら、その運転性能を体験できる。車の宣伝として効果的な応用だ。

 あるいは、VR技術を使って料理教室を開催するといったことも想定される。参加者は、調理器具を手に持ったり、食材の感触を確かめたりすることができる。オーブンを使う段階になると、家電メーカーが新しいオーブン技術を披露するといった具合だ。

 サムスンは先ごろ、出産の様子をVR技術で逐次配信した。今後は、出産を控えた夫婦を対象に、子育ての様子を見せることもできるだろう。消費者は、子供を抱いたり、おむつを換えたりする場面を仮想体験し、その仮想体験全体をおむつメーカーが資金援助することも考えられる。

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