航空旅客の荷物を逐一追跡可能に 〜 業界団体、「バッグジャーニー」を発表

 航空業界向けに通信および情報技術の開発や応用を促進する仏非営利業界団体のSITA(Societe International de Telecommunications Aeronautiques)は、航空旅客の預け入れ荷物の所在地を追跡する製品を発表した。

 フォーブス誌によると、「バッグジャーニー(BagJourney)」と呼ばれる同製品は、SITAの既存のサービス「バッグメッセージ(BagMessage)」を活用したものだ。

 バッグメッセージは、世界220ヵ所以上の空港で500社以上の航空会社に使われているメッセージ配信サービスで、旅客の手荷物の所在地について情報を交換することができる。バッグジャーニーは、それにソフトウェアの層を重ねて、旅客自身が自分の荷物の場所を見られるようにするものだ。

 空の旅で手荷物が紛失した場合、通常なら空港の所定の受付窓口に届出を出すが、その時点では紛失した手荷物がどこにあるかは、当の航空会社も含めてまったく把握できないのが普通だ。

 一方、フェデックスやUPSで荷物を送ると、すべての過程が逐一記録されて、荷物がどこにあるかをウェブサイト上でほぼリアルタイムで確認できる。

 SITAは、バッグジャーニーを導入することによって、両社のあいだにある大きな格差を縮めることを目指している。バッグジャーニーは、手荷物を預けた時点から旅客の手に戻るまでの過程を、複数の空港、複数の航空会社にわたって追跡する。

 SITAはバッグメッセージのAPI(application programming interface)を開示しており、第三者開発の革新的なアプリケーションが今後開発される可能性がある。

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