オラクル、人材管理クラウドを拡充 〜 ソーシャルとモバイルの機能を追加
- 2015年3月31日
- ハイテク情報
オラクル(Oracle)が先日発表した人材管理(HCM=Human Capital Management)クラウド・サービス「オラクル・ラーニング・クラウド(Oracle Learning Cloud)」の新機能は、企業における人材開発や研修の方法の移行を示すものだ。
インフォメーション・ウィーク誌によると、その移行とは、授業形式や学習モジュールといった従来の堅苦しい様式から、モバイル端末によって収録されソーシャル・メディアで共有されたハウツー動画ものに代表される気軽な方法による研修様式への変化だ。
「昨今、人々は、ユーチューブやそのほかの動画サイトで共有された動画を使って学習している」とオラクルのHCM戦略担当副社長グレッチェン・アラーコア氏は指摘する。
「われわれは市場動向を精査した結果、講師が受講者たちの前に立って講義する伝統的な様式や、学習モジュールを使って教材を勉強するといったこれまでの方法ではなく、ピア・ツー・ピアの学習方式を法人向けに取り入れようと考えた」と同氏は説明する。
スマートフォンやタブレットを使って、販売担当者らは製品説明動画を共有し、小売業者らは売り方の動画を作成し、外回りの顧客担当者らは、保守管理や修理の仕方を教える動画を撮っている。
オラクル・ラーニング・クラウドは、そういった動画を従業員らが簡単に作れるよう設計されており、また、人事管理や人材育成および開発の担当者らがそれらの動画やそのほかのイメージ、インフォグラフィクス、資料を社内の特定の部署や職種向けの教材として加工できるようにする機能がある。
オラクル・ラーニング・クラウドは単体としても使え、あるいは、オラクルのHCMクラウドに統合して従業員のプロファイル・システムと連携させることも可能。
ソーシャルやモバイルの要素を研修や従業員訓練に活用するHRまたはHCMソフトウェアおよびクラウド・サービスは、サムトータル(SumTotal)といった独立系の新興企業から、IBM傘下のケネクサ(Kenexa)やSAP傘下のサクセスファクターズ(SuccessFactors)といった大手でもすでに商品化されている。
したがって、オラクル・ラーニング・クラウドが先進的というわけではないが、従来型のラーニング管理システム(Learning Management Systems=LMS)に統合することで、これまでの正式な研修方法とそうでない手法の両方を組み合わせて包括的な学習環境を整備しやすいという点で利点があると言える。
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