熱電併給がデータ・センターにもたらす利点 〜 発電と同時に冷却水も生成

 熱電併給(コージェネレーション=電力と熱を一緒に供給する)システムを使うことで、データ・センターのエネルギー効率を大幅に高められる可能性がある。

 ウォルドロン・エンジニアリング&コンストラクション(Waldron Engineering and Construction)のテレンス・ウォルドロン社長は、ラスベガスで開かれた「データ・センター・ワールド」会議に出席し、データ・センターにおける熱電併給(CHP=combined heat and power)の導入利点を強調した。

 熱電併給は、19世紀終わりから存在する技術で、病院や製油所、化学工場、バイオテク関連事業所で多用されている。しかし、データ・センターではあまり普及していない。

 データ・センター・ノーレッジ誌によると、熱電併給システムと同様に天然ガスを燃料とする燃料電池のほうが最近ではもてはやされるが、熱電併給は燃料電池よりもエネルギー効率が高い、とウォルドロン氏は指摘する。

 同氏によると、熱電併給のエンジンは、燃料のエネルギー変換効率が一般に40%だ。残りの60%は熱となり、吸収式冷凍機によって冷却水に換えられる。偶然にも、効率40%のエンジンが生成する冷却水の量は、そのエンジンが給電するサーバーを冷やすために必要な冷却水の量にほぼ等しい。

 「興味深いバランスだ。だれも意図したことではない。偶然そうなった」と、ウォルドロン氏は話す。

 熱電併給システムは、電力と冷却水のおもな供給源として使えるが、既存の電力および冷却基幹設備に追加する層として導入することが大切だ、とウォルドロン氏は考えている。

 「既存の基幹設備に重ねる層とすることで、送電網の電力や施設内の専用冷却施設と併用できる」と同氏は話す。

 ただ、熱電併給システムを導入することで、2種類の追加コストが生じる。一つは、システムのサービス提供会社と長期的な保守管理契約を結ぶ必要が生じるであろうこと。もう一つは、電力会社から大口顧客としての優遇待遇を受けられなくなり、電気代が上がる可能性があることだ。

 しかし、それらの追加コストを加味しても、データ・センター運営会社は4〜5年で見返りを期待できる、とウォルドロン氏は試算する。

 アリゾナ州には、熱電併給システムを導入して年間77万6000ドル前後の電気代を節約しているデータ・センターがある。

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