製薬会社、FDAを訴える〜認可外使用で医師と話す権利求め

 食品医薬品局(FDA)が医薬品業界に対し、認可外(オフレーベル)の用途に薬を使うことについて医師と話す行為を禁じているのを不服として、アイルランドのアマリン・ファーマ(Amarin Pharma)はこのほど、FDAを相手取って異例の提訴に踏み切った。

 ニューヨーク・タイムズによると、FDAはここ数年、従来の規制に違反した企業に罰金を科しているが、アマリンは医師との情報共有は合衆国憲法で認められている権利だと主張している。実際には、企業側の権利を支持する判例は複数ある。

 原告代理人のフロイド・エイブラムス弁護士によると、製造者側が言論・出版の自由を保障した憲法修正第1条をめぐり、先手を打ってFDAを提訴した例は今回が初めて。従来の訴訟はFDAから違法行為を指摘された後で起こされているという。

 しかし、アマリンの提訴について、医薬品の安全と効能に責任を負うFDAの権限を無視しているとの見方もある。消費者擁護団体パブリック・シチズンの保健分野責任者、マイケル・クローム医師は「修正第1条は絶対的な権利ではなく限度があり、限度を超えるかどうかが常に考慮されてきた。今回、アマリンが勝訴することは薬の安全に破壊的影響を及ぼし、医薬品の承認手続きを崩壊させかねない」と警告する。

 問題となっているのは、アマリンの唯一の医薬品である高トリグリセリド血症治療薬「バシーパ(Vascepa)」。同社が日清製粉グループの日清ファルマと共同開発した同薬は2012年、血中トリグリセリド濃度が異常に高い患者だけを対象にFDAから米販売認可を受けた。アマリンはその後FDAに対象の拡大を申請したが、認められなかった。

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