エアバス、SAPのハナに乗り換え 〜 オラクルのデータベースに見切り
- 2015年6月18日
- ハイテク情報
航空機製造大手のエアバス(Airbus)は、データ処理および報告のためのシステムをオラクル(Oracle)のデータベースからSAPのハナ(Hana)に切り替えた。
コンピュータワールドUK誌によると、エアバスが採用したのはハナのインメモリー製品で、従来のシステムに比べて報告パフォーマンスを5倍、データのロード時間を4倍高めることができるという。
エアバスは切り替えにあたって、まず、SAPの「BW 7.30 SP 12」を導入し、ハナに向けて最適化した「インフォキューブ(InfoCubes)」を2月に稼動させた。エアバスは今後、部門ごとに順次導入していく。たとえば、人事部門では、データ源を統合して報告や分析といった実務を2017年にできるようになる見通しだ。
エアバスは、大規模データ(big data)戦略の一環として、ハドゥープ(Hadoop)をインメモリー・データベースに統合することも予定している。
現在は切り替えの初期段階であるため、コスト削減を数量化することは難しいが、2016年には実行モードのコストとプロジェクトのコストを削減し、リアルタイム報告によってシステムの敏捷性が高まる、とSAPは説明している。
これまでのところ、データ管理者がデータベースの実行に費やす週あたりの時間が91%削減され、オンライン分析処理の実効時間は81%削減された。
SAPのハナ・データベース導入を決めた顧客は6000社あり、クラウド基盤のERP(企業資源計画)とインメモリー・プラットフォームを統合する最新のERP製品「S/4ハナ」の導入を決めた顧客は1400社ある。
エアバスは、新型旅客機「A350 WB」の製作に際して、ティブコ(TIBCO)の分析プラットフォームを使用している。また、シミュレーションおよびデザイン機能のハードウェアには、HPのコンテナ型データ・センターを使っている。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ