商業物件の販促に仮想現実を活用 〜 建設中ビルの内装や設備を仮想ツアー

 不動産賃貸業者のセージ不動産(Sage Realty)は、マンハッタン一等地で6000万ドルをかけて改装工事中の40階建てオフィス・ビルの入居企業を探すために仮想現実技術を利用している。

 双方向三次元(3D)モデリング・ソフトウェア対応のヘッドセットを潜在顧客にかぶってもらい、完成予想ビルの「仮想ツアー」を提供するというもの。潜在顧客は工事現場に足を運ぶことなく、完成したビルのなかにあたかもいるかのように内装や設備、窓からの眺めを見ることができる。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、商業不動産業界には新技術導入に慎重という伝統的傾向があるが、一部の仲介業者や開発業者は、特に技術系企業や技術色の強いメディア、広告会社向けでの販促に仮想現実ツアーを利用し、業績向上に役立てている。

 仮想現実ツアーを可能にするためのシステム開発費用は、その規模によって2万5000〜100万ドル以上と大きな開きがある。決して安いとは言えないが、ビル建設に数億ドルを投資する商業物件開発業者にとっては比較的問題にならない金額だ。

 セージが採用したヘッドセットは、フェイスブック傘下のオキュラスVR(Oculus VR)製で、デスクトップ・コンピュータ向け開発キット(350ドル)の一部として提供される。

 サムスン(Samsung)の各種携帯電話端末に対応するキットのモバイル版(199ドル)も提供されている。

 仮想現実ツアーを2014年に初めて利用したタコニック・インベストメント・パートナーズ(Taconic Investment Partners)は、物件のリースまたは売買契約を早くまとめる効果については不明と断ったうえで、話題作りの点で仮想現実ツアーに効果があると話す。

 一方、ヘッドセット装着を嫌う人も少なくない。そこで、仮想現実ツアー開発のリレーテッド・コス(Related Cos)は今春、フロアード(Floored)社の三次元双方向モデルを採用し、ヘッドセットの代わりに大画面高解像度スクリーンを利用する技術を披露した。

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