GS、エラスティックサーチを採用 〜 各種システムを独自開発し業務効率化

 企業がオープン・ソースの検索エンジンを使うようになって久しい。金融大手ゴールドマン・サックス(GS=Goldman Sachs)はそのうちの一つであるアパッチ・ルシーン(Apache Lucene)基盤のエラスティック(Elastic)社製品「エラスティックサーチ(Elasticsearch)」を採用し、画期的方法で利用している。

 インフォメーション・ウィークによると、画期的利用例の一つとして、法務部向けに開発した独自の契約書検索システムが挙げられる。コンテント解析および光学文字認識ソフトウェア「アパッチ・ティカ(Apache Tika)」を使って契約書をデジタル化することにより、手作業によるこれまでの契約書検索を自動化した。

 ティカは、1000以上のファイル形式と、検索エンジンの索引作成に役立つ抽出メタデータを認識できる。ティカによって契約書を処理後、エラスティックサーチによる検索で専門用語が見つからない場合は、警告が出され、弁護士による手作業の見直しが行われる。

 技術部門責任者のドン・デュエット氏によると、エラスティックサーチは「レストフルAPI(RESTful API)」インターフェイスを採用し、典型的なジャバ(Java)アプリケーションのように動作する。そのため、独自のプログラミング・パラダイムを使うほかのエンタープライズ検索エンジンの場合と比べ、少ないIT担当者と工程でアプリケーションを構築できる。

 また、ゴールドマン・サックスが社内向けに開発した取り引き追跡システムは、宅配荷物追跡システムのように、特定の取り引きの状況をゴールドマン・サックス幹部とその顧客が随時把握できるようにしたものだ。異なるシステムから関連データを収集し、エラスティックサーチのシステムに統合、検索できるようにした。

 同社はそのほか、IT担当者によるソフトウェア・バグの発見と対処を支援する検索基盤コード管理システムを開発した。ソフトウェアの特定バージョンでバグが発見されると、エラスティックサーチによってコード・ライブラリーを検索し、バグのすべてのインスタンスを発見できる。

 ゴールドマン・サックスはエラスティックサーチ・プロジェクトに参加しており、エラスティックの技術者らと協力関係にある。

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