米自動車保険業界、IoTでコスト削減 〜 加入者の運転習慣や危険度を監視

 プログレッシブやオールステイト、ステイト・ファームといった米自動車保険大手らは、加入者(運転車)たちの運転習慣をモノのインターネット(IoT=Internet of Things)によって観察し、保険掛け金の料金設定や保険調査に役立てている。

 ビジネス・インサイダーによると、自動車保険会社は、走行速度の変化や運転の頻度、運転する時間帯といったデータを集めて分析することで、加入者の危険度を査定できるようにしてコスト(保険金の支払い)を削減でき、かたや加入者側は、運転内容が安全だと判定される場合に保険掛け金の引き下げという特典を得られる。

 加入者の運転習慣を監視するのにもっとも普及している方法は、車載診断(On Board Diagnostic=OBD-II)と呼ばれるドングル(小型の機器)だ。ドングルは、ハンドル下にある接続口に差し込めるようになっており、それを使って運転実態の分析結果が保険会社に送信される。

 OBD-IIドングルに対応する自動車は現在、北米に約1億5500万台あると見積もられ、その台数は増加中だ。

 保険業界によるIoT活用は急増中で、自動車や医療、不動産を含む米保険業界はコスト削減に向けたIoT活用法を模索している。

 自動車業界は、従量保険(UBI=usage-based insurance)という制度との併用によって保険業界のなかでIoT活用にもっとも積極的な分野となっている。米国では2020年までに5000万人がUBIを利用すると予想される。

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