予想分析で予防を強化しコストを削減 〜 医療保険会社のヒューマーナが実証
- 2015年8月26日
- ハイテク情報
CDWが医療サービス業界幹部を対象に最近行った調査によると、3分の2が分析技術を最重要項目として挙げた。また、回答者の7割近くが分析技術をすでに導入中あるいは導入計画中と答えた。
エンタープライズ・アップス・トゥデイ誌によると、医療関連業界で分析技術を初期段階に導入した企業の一つである保険会社のヒューマーナ(Humana)は、予想分析モデルを活用することで、医療専門家との日常的連絡によって予防効果があがる保険加入者を特定している。
同社ではそういった加入者を特定し、より健康的な生活様式に変えることを支援することで、加入者の健康改善を推進し、医療コスト(保険会社の保険金支出)を抑えようと図っている。
ヒューマーナは予想分析技術を活用したことで、2014年に約190万人の会員(加入者)が健康リスクを負っていることを特定した。さらに、眼底検査や糖尿病検査を受ける必要があるにもかかわらず放置している加入者が430万人もいることを予想分析によって特定した。
ヒューマーナはそれを受けて、加入者たちの主治医に連絡し、検査や予防治療を奨励することで、加入者の健康障害や症状悪化を防ぎ、医療費(保険金支出)を抑えることに成功している。
ヒューマーナは現在、1万5000人以上のケア・マネージャーや専門家を雇用し、分析技術を最大限に活用することで、加入者のためにさまざまの予防策を講じている。その結果、加入者の再入院を40%削減した。
同社の加入者のうち、高齢者向け医療保険(メディケア)を使う6人に一人が病院での診察から30日以内に再入院していたが、予想分析モデルを活用して加入者の再入院率を定量化し、ある一定基準を超えた場合に加入者と主治医に連絡し、悪化防止策や改善策を奨励したことで成果をあげた。
ヒューマーナが特に注力しているのは進行性疾患の分析だ。たとえば、高齢者の30%が患っている糖尿病がそれにあたる。糖尿病患者を軽度、中度、重度に分類した場合、軽度から重度に移行すると治療費は7倍に跳ね上がる。同社はそこで、予想分析モデルを使い、進行が速い患者を特定し、素早い対処を促すことで病状悪化を防いでいる。
ヒューマーナでは、データ科学者だけに頼るのではなく、さまざまの分野の専門家たちによる対応班を編成して取り組むシステムと技術を開発したことが成功につながったと話している。
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