J & J、IBMワトソンと協業 〜 術後患者に助言するアプリケーションを開発へ

 ジョンソン&ジョンソン(Johnson & Johnson)はIBMとの協業によって、人工知能(AI=artificial intelligence)を健康データに応用する消費者向けアプリケーション群を開発する。

 ジョンソン&ジョンソンの狙いは、患者の健康状態を監視して向上させる仮想コーチとして機能するモバイル・アプリケーションを開発し、それらを病院に売り込み、最終的には末端利用者(患者)に流通させることにある。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ジョンソン&ジョンソンはその手始めとして、膝関節置換手術を受けた患者ら向けに仮想コーチングを提供する試作アプリケーションを2015年第4四半期中に開発する計画だ。

 ジョンソン&ジョンソンでは、IBMのワトソン(Watson)認知電算および分析プラットフォームやアップル(Apple)のアプリケーション設計、そして自社の臨床ノウハウを融合することで、回復過程にある患者のために術後の経過や容体を予想し、それに応じた治療関連の助言を提供できるアプリケーション事業の確立を図る。

 ジョンソン&ジョンソンの試みは、IBMワトソンにとってもスーパーコンピューティング・プラットフォームの応用と実用化、そして商用化の試金石となる。

 IBMでは、ワトソンを意思決定支援サービスとして利益率の高い大きな収入源になる可能性のある資産と位置づけている。IBMが4月に発表したワトソン・ヘルスはその中核事業であり、ジョンソン&ジョンソンとの協業はその一環だ。

 IBMは、ワトソンの認知電算力と高速分析力を気象データの解析や身体装着端末データの分析といった分野でもすでに応用しており、今後は、小売業界や金融サービス、農業といった業界に応用範囲を広げていく計画だ。

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