アップル、人工知能開発のヴォーカルIQを買収 〜 シリの強化で競合社に対抗

 アップル(Apple)は、人工知能開発の新興企業ヴォーカルIQ(VocalIQ)を買収した。買収額は非公開。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ヴォーカルIQは英国拠点のソフトウェア開発企業で、アップルがアイフォーン(iPhone)に搭載している仮想アシスタント「シリ(Siri)」の機能を向上させる技術を持っている。

 ヴォーカルIQは、人間の話し言葉を正確に理解し、より人間らしく話す人工知能ソフトウェアに進化させる技術の開発に特化している。

 アップルのシリは、マイクロフトやグーグルの人工知能ソフトウェアの台頭によって、搭載当初の注目度や強みが弱体化したと言われる。利用者の音声指示内容を認識しきれないことも珍しくないという利用者からの声もあり、人工知能強化の必要性に迫られている。

 ヴォーカルIQのソフトウェアは、利用者とのやり取りを学習することで、利用者からの問い合わせに対し、より自然に返答できるようコンピュータの会話能力を向上させることができる。

 技術業界では昨今、指による操作を音声認識によって実行できるようにする動きが強まっている。身体装着端末や車載IT、ロボティクス、IoT(Internet of Things)の分野ではそういった動きが特に顕著だ。

 「深層学習(deep learning)」と呼ばれる人工知能技術は、そういった業界動向によって今後さらに強まる技術競争の戦場の一つになるとみられる。

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