モノのインターネット(IoT=Internet of Things)技術が、「環境、衛生、安全(EHS=environment, health and safety)」管理の分野でも活用され始めている。
エンバイロメンタル・リーダー誌によると、スマート検知器といったIoT技術は、企業がEHSデータを収集して管理するうえで重要な役割を果たすようになっており、最近にはそれが身体装着端末やモバイル・アプリケーションといった領域にも拡大している。
IoT技術がもっとも役立つのは、データの入力と出力の業務に関する部分だ。各種の状況や状態を測定する検知器からの収集データが、インターネット接続を介してデータベースに自動的に蓄積されていくという点で、業務が劇的に自動化されている。
また、多数の検知器を取り付けて業務状況を細かく監視することも可能になった。たとえば、化学物質が流出した際に迅速な反応が求められる状況で、網の目状にはりめぐらせた検知器群からの情報を視覚化して確認し、どこから流出しているかを一目で突き止められるようになる。
さらに、たとえば化学物質を監査する際に、現場に置かれている化学品容器に付いたバーコードをモバイル端末でスキャンして、その化学品の数量と保管場所をモバイル・アプリケーションで即座に特定および確認することも可能になる。
そのほか、身体装着端末技術は、現場作業員の心拍数や職場の空気質、騒音を監視するのにも役立つ。
ハネウェル(Honeywell)とインテル(Intel)は、現場作業員や緊急出動隊員の安全性を確認するソリューションを11月初めに発表している。「ハネウェル・コネクテッド・ワーカー」と呼ばれるそのソリューションは、作業員が身体に装着した多種多様の検知器群からの情報を収集および管理することで、有毒ガス濃度や心拍数、呼吸、姿勢、動作に関する情報を収集し、安全性や作業効率を向上させる。
収集されたデータは、クラウド技術を使ったダッシュボードにまとめられ、現場から離れた管理室で追跡および管理される。
調査会社ヴァーダンティックス(Verdantix)の報告書によると、EHS向け予算を2016年に拡大すると答えた企業は4分の3に上り、前年の62%から増えた。2016年のEHS予算を10%以上拡大すると答えた企業は10%、5〜9%拡大すると答えた企業は21%に上った。
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