ダイヤの取り引きにフィンテック 〜 ワントワープの団体、新興企業と提携

 世界のダイヤモンドの80%が取り引きされると言われるベルギーのワントワープ・ワールド・ダイヤモンド・センター(Antwerp World Diamond Centre=AWDC)は、近年の取引高減少から回復するために、フィンテック(fintech)新興企業群との提携を強化している。

 フィンテックとは、ファイナンスとテクノロジーの2語を合体させた造語で、金融サービス業に活用される技術を指す。

 世界のダイヤモンド市場を管理するほど影響力のあるAWDCは、2014年に590億ドル分のダイヤモンドを輸出入したが、その額は2015年に18%減の483億ドルに落ち込んだ。

 ヤフー・ファイナンスによると、AWDCは1日、シリコン・バレー拠点のアップホールド(Uphold)とベルギー拠点のFX4BIZという新興企業と業務提携することで、取引高の増加を図る。 

 アップホールドとFX4BIZはともにオンライン決済プラットフォームを開発しており、世界中の主要通貨に対応した迅速かつ無料の両替サービスのほか、仮想通貨や先物取引のオンライン決済での為替サービスも提供している。

 アップホールドは、自社サービスを「クラウド金庫(cloud-money vault)」と表現する。同社は、ビットリザーブ(BitReserve)というオンライン決済サービスを2014年に提供開始したあと、ビットコインが国際犯罪に悪用されていることを受けて、社名からビットを省いている。

 世界の主要通貨23種類と4種類の貴金属、そしてビットコインの両替や国際取引をオンライン決済するアップホールドは、これまでに8億3600万ドル分を処理した。利用者たちのアップホールド電子財布には8500万ドルが預けられている。

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