新興大手の51%は移民が創業 〜 米経済に大きく貢献
- 2016年3月29日
- アメリカ発ニュース
米国で時価総額が10億ドルを超える新興企業を立ち上げた人の半分以上は移民という調査結果を、政策研究団体のNFAP(本部バージニア州)が発表した。
ウォールストリート・ジャーナルによると、時価総額が10億ドルを超える国内の新興企業は2016年1月1日時点で87社あり、51%に相当する44社は移民が設立したという。総合評価額が1680億ドルに上る44社は、月平均約760人の雇用を生んでおり、主要な管理職や商品開発担当者の70%以上も移民が占める。
44社の中でも時価総額が高いのは、1位がスマートフォンを使ったタクシー配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズ(Uber Technologies)、2位がデータマイニング・ソフト大手パランティア・テクノロジーズ(Palantir Technologies)、3位がロケット製造大手スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(Space Exploration Technologies)となっている。
設立者の出身国で最も多いのはインド(14社)で、以下カナダ(8社)、英国(8社)、イスラエル(7社)、ドイツ(4社)、フランス(2社)、アイルランド(1社)と続く。
NFAP報告書を作成したスチュアート・アンダーソン氏は「ビザ(査証)の取得がもっと簡単になれば、米経済は外国生まれの起業家の才能からより多くの恩恵を受ける可能性がある」と指摘する。高い技術を持つ外国人が米国で働くためのビザとしては「H-1B」が一般的だが、年間8万5000件と発給数が限られており、手続きに時間や手間がかかる。また、このビザは雇用主が外国人社員のために申請するため、起業家が取得することは難しい。
従ってほとんどの場合、移民がビジネスを立ち上げるのは永住権を取得してからになる。NFAPに調査資金を提供したユーイング・マリオン・コフマン財団は、一定の雇用を創出する起業家に条件付きで永住権を与える「EB-JOBS法案」が連邦議会で可決されれば、10年間で100万〜320万人の雇用が創出されると見ている。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
シンケイ・システムス、魚の活け締め技法を機械化 〜 完成に接近、鮮魚流通網に革新をもたらす可能性
-
ドキュサイン、インテリジェント契約管理サービスを発表 〜 電子署名ソリューション以外に事業を拡大
-
2024年4月29日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
米商務省、TSMCのアリゾナ工場への投資を提案 〜 米中緊張悪化を背景にチップの国産化に重点
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に
-
2024年4月22日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ボルティモアの橋崩落、輸出・小売業者に影響
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想