【レポート】
福島県知事による震災復興セミナー
- 2017年10月21日
- ニュース
10月18日、在ロサンゼルス日本国総領事公邸で、福島県の内堀雅雄知事による復興セミナーと県産品PRレセプションが行われた。知事によるセミナーのダイジェストをお届けする。
福島県は震災後、世界中からの支援をいただいた。心からの感謝を申し上げる。福島県は東京から新幹線で80分、美しい自然の宝庫である。歴史的な建築物も多く、質の高い食材の産地でもある。
しかし、2011年3月11日、地震とそれに続く津波により、福島の状況は変わった。原子力発電所の事故が起こった。
ここでは現在の福島県の状況について「光の側面」と「闇の側面」とに分けて解説していく。まずは「光の側面」から。福島第一原発周辺の避難区域は現在3%にまで減少している。影響を受けた農作物には、放射能測定の厳しい基準を課して、現在は地震前と同程度の数値まで戻すことに成功した。人気の温泉を数多く擁す観光地も活気を取り戻しつつある。福島の酒は品評会で8年連続の金賞を受賞するほど評価が高い。また、国外に輸出していた米、果物の輸出量が震災後に0になったが、現在は酒も含め、それらのプロダクトの輸出量増に努めている。
次に「闇の側面」。現在でも県外に5万人以上が避難している。農作物は今でも風評被害にさらされている。観光客は震災前の82%まで数字を戻したが、まだ完全回復ではない。
これらの問題に取り組んでいくためのキーワードは「チャレンジ」しかない。エネルギー問題に関しては、原発の代わりとなる再生可能エネルギーの事業を県内で推進しようとしている。再生可能エネルギーとなる水素の生産施設も浪江町に建設されることが決まった。ロボット産業の誘致も行っている。
今回の渡米の目的は3つある。福島県の情報を伝えるためのセミナーの開催。アメリカ人に対して福島の酒、米が安全だということをプロモートすること。そして、福島県猪苗代出身の野口英世博士の墓の訪問。彼の墓がニューヨークにある。野口博士の次の言葉に深く共鳴する。
“We have two things we can change. One is ourselves and the other is our future(私たちは2つのことを変えられる。ひとつは私たち自身、もうひとつは私たちの将来だ)”
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