気候変動による気温の上昇で、60年後のニューヨーク市では暑さが原因で死ぬ人が年に3000人を超える可能性があるとの予想を、コロンビア大学、コーネル大学、ロンドン大学衛生熱帯医学大学院の合同研究班が発表した。
ロイター通信によると、研究班は専門誌エンバイロンメンタル・ヘルス・パースペクティブスに掲載された論文で、NY市では気温がカ氏90度を超える猛暑日が2080年までに今の3倍に増えるという見通しを示した。この結果、年間3331人が熱性疲労、脱水症状、心臓や呼吸器系の疾患などで死亡する可能性があるという。
03年に数万人が死亡した欧州の熱波を引き合いに、より人口の密集したニューヨークで同様の事態が起きれば悲惨な結果になると予想している。
NY市では00〜06年に年間約600人が暑さで死亡しており、国内では近年、熱波の発生が増えている。NY市気候変動パネルによると、市の年間平均気温は80年代までにカ氏で5.3〜8.8度上昇すると予想されている。
温室効果ガス(GHG)の排出量を抑え、住民が気温上昇から完全に遮断されれば予想される熱関連死のほとんどは避けられる見通しで、論文の大部分を執筆したエリサベタ・ペトコバ氏は「GHG排出量を減らし、暑さ対応を継続することの重要性を示した」と話す。NY市は、ビルの屋上に反射塗料を塗るといった温暖化対策を講じている。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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