技術革新の呼び水となるか
- 2013年2月8日
- ハイテク情報
グーグル(Google)がカンザス州カンザス・シティーで試験運用している超高速データ通信サービスが、新たな技術革新の呼び水になると期待されている。
ワシントン・ポストによると、試験運用開始から3ヵ月が経過した現在、カンザス・シティーでは早くも新事業誕生の兆しが見え始めている。
弱冠18歳のゲーム開発者ニック・ブディダーマ氏は、サウス・カロライナ州ヒルトン・ヘッドから両親とともに同市に引っ越し、通常の回線よりも100倍速い(1秒あたり10ギガバイト)超高速通信網のグーグル・ファイバー(Google Fiber)に接続できる「ハッカー・ホーム」に住み始めた。
コロラド州デンバーから移り住み、音楽家にオンラインでリアルタイムの演奏の場を与える事業を立ち上げたシンシア・ペイン氏も、財界関係者や投資家、自治体の関心を呼んでいる。
一方、低コストと高速サービス導入でしのぎを削るケーブル通信業界も、グーグルに対抗する高速サービスを企業や自治体に売り込んでいる。
カンザス・シティーの新興事業育成を支援するカウフマン財団のリサ・ミッチェル氏は、「グーグルが触媒の役割を果たしている」「グーグルの超高速接続基幹設備は、起業活動の連鎖反応を引き起こすうえで非常に重要」と話す。
ただ、波及効果は今のところ小さい。最初に回線が敷設された地域では新興事業が数えるほどしか設立されていない。
しかし、AT&Tが唯一の高速接続サービス・プロバイダーというカンザス・シティーにおいて、最速でも1秒あたり5メガバイトでサービス料金が月80ドルという現状を踏まえると、手ごろ価格のグーグル・ファイバーは新事業の立ち上がりを刺激する可能性が高いと期待される。
通信技術サービスのエリクソンは2011年に、広帯域接続の速度が倍増すれば、国内総生産(GDP)が0.3%上昇するという調査結果を発表している。
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