SAP、顧客サポート料金を引き上げへ

 SAPが新顧客を対象にスタンダード・サポート(Standard Support)の値上げを発表したことを受け、SAP利用者グループの間で不満が出ている。

 スタンダード・サポート料金は現在、ライセンス料金の18%に設定されているが、SAPは、7月15日以降に新契約を結んだ顧客に対しそれを同19%に引き上げる。その結果、顧客の負担は全体で5.5%増えることになる。

 CIO誌によると、SAPは、ライセンス料金の22%を課金する高位サポート・サービスのエンタープライズ・サポート(Enterprise Support)を2008年に導入したが、顧客から強い反発を受け、一部値下げに踏み切るとともに、スタンダード・サポート・オプションを復活させた経緯がある。

 ドイツ語圏のSAP利用者グループであるDSAGによると、SAPはその経験を踏まえ、今回は値上げを6ヵ月前に通知するとともに、既存契約には追加料金を適用しない方針。

 しかしDSAGは、SAPがスタンダード・サポートを一切改良しない状態で値上げすることに不信感を表明した。

 SAPは値上げの理由として、サポート提供費用の上昇を反映したもの、と説明した。

 SAPによると、新規顧客の約95%はエンタープライズ・サポートを選択している。DSAGは、SAP顧客の大半がエンタープライズ・サポートを利用する一方、ドイツではエンタープライズとスタンダードの利用企業比率が50対50と分析する。

 米国のSAP利用者グループであるASUGも、値上げに反対の意向を示している。

 一方、今回の値上げは、維持管理収入増を狙ったものというよりは、SAPの戦略的動きの一部という見方もある。

 金融サービス大手モルガン・スタンリーの業界専門家は、「値上げによる増収はわずかにすぎない」「(値上げの)狙いはむしろ、製品導入済み顧客に対するスタンダードとエンタープライズ・サポートの料金差を縮小することにより、エンタープライズ離れを避けること」と分析している。

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