モバイルとソーシャル機能に注目
- 2013年2月12日
- ハイテク情報
IBMは、ユニックス(Unix)やx86系サーバーといった低価格システムとの競争を避けるために、モバイル・アプリケーションやソーシャル・ネットワーキング・アプリケーションをメインフレーム上で簡単に稼動できるようにする計画だ。
メインフレームの顧客である銀行や通信サービス会社といった大手企業は、セキュリティや動作可能時間の最大化には投資を惜しまない傾向がある。しかし、モバイルおよびソーシャル・アプリケーションに関しては、ほかのプラットフォームを使うことが多い。
コンピュータワールドによると、IBMのメインフレーム事業「システムZ(System z)」のダグ・バログ統括部長は、仮に銀行がモバイル銀行アプリケーションを顧客企業に提供する場合、そのアプリケーションをメインフレームで稼働できるようにすれば、ほかのプラットフォームを使う必要がなくなるだろう、と話す。
同氏はまた、既存のモバイルおよびソーシャル・アプリケーションをメインフレームに簡単に移植できるようにするツールとサービスの提供も視野に入れている。
短期的には、メインフレーム利用の大きなけん引力として「オペレーション・アナリティクス(operational analytics)」を同氏は挙げる。不正検出に代表されるように、業務を実行するために取引データをほぼリアルタイムで解析する機能もそれに含まれる。
たとえば、銀行カードを使って現金を引き出そうとしている人がカード所持者本人であるかどうかを認証するために、その消費者が最近でどこでいくらを支出したかといったほかのデータを参照する。
一方、顧客企業は、IBMのデータウェアハウス・システム「ネティーザ(Netezza)」の一つに投資する必要がある。ネティーザについては、同社メインフレームとの統合が進められている。
バログ氏は、大規模データ(Big Data)向けプラットフォームのハドゥープ(Hadoop)がデータ処理に適しているのに対し、ネティーザはオペレーショナル・アナリティクスにとってより良いソリューションであると主張する。
IBMは最近、「EC12」システムを導入し、直近四半期決算でメインフレーム事業の売上高が56%増加した。
IBMが得意とするメインフレームは近年、電算システムやデータ・センターの進化を受けて将来性が疑問視されるものの、バログ氏によると、同社は中国を中心に、過去2年で約180のメインフレーム顧客を追加した。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ