三菱電機は、米国の高い自動車部品需要を受けてメキシコの工場を拡張する計画だったが、米・カナダ・メキシコによる北米自由貿易協定(NAFTA)見直しの行方が見通せないため、計画を再検討している。
オートモーティブ・ニュースによると、三菱電機は2017年、米3大自動車メーカーとの取り引きが増えていることを受けて、メキシコ・ケレタロ州の工場拡張計画を発表した。しかし、トランプ政権が持ち出したNAFTAの再交渉が長引いており、予定通り計画を進めることをためらっている。
三菱電機は既存の米国工場を拡張する案も検討しており、場合によってはオハイオ州とケンタッキー州に所有する自動車部品工場のどちらかを拡張するか、新しく工場を建設するという可能性もある。いずれにしても、スターター・モータ ー、オルタネーター、車載マルチメディア・システムといった部品に対する米市場の高い需要に対応するため、北米の生産能力を拡大する必要がある。
同社の主要顧客は世界的にはルノー・日産・三菱連合だが、米国ではゼネラル・モーターズ(GM)、フォード、クライスラーへの販売が最も多い。年内にはどこで拡張するかを決めたい意向だが、今のところNAFTA再交渉の進展を見守るしかなく、石川達也自動車機器事業部長は「予想は非常に難しい。大きな投資なので判断を間違えないよう、慎重になる必要がある」と話している。同社は現在、米国の需要に応える一時的な策としてタイから部品を出荷している。
メキシコ工場は2年前に開設したが、1つの工場開設を決定した後、建設して稼動させるまでの準備には通常3年かかる。政策絡みの遅れに直面する同社はこれを何とかおよそ2年まで短縮したい考えだが、まずは工場をメキシコにするか米国にするか決断する必要がある。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に
-
2024年4月22日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ボルティモアの橋崩落、輸出・小売業者に影響
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想
-
人間の労働力の方が人工知能より安価 〜 MITの研究、雇用機会の大部分は人工知能にまだ奪われないと結論
-
ドローン配送に現実味~運用範囲広がる
-
アマゾンや小売大手ら、頻発する返金詐欺で巨額の損害 〜 詐欺集団ら、ティックトックで協力購入者たちを募集