フォードはミシガン州フラットロック工場で今後数年間に生産する車について、EVかAV(自動運転車)か迷った末にEVと決めた。将来のモビリティーにはどのタイプの車が最適なのか、どれを選べば生き残れるかを簡単に決められない様子は、自動車産業の今を反映している。
■二転三転
オートモーティブ・ニュースによると、フォードは17年後半、自動運転の商用車を増やすという戦略に基づき、フラットロック工場にAV生産スペースを増やそうと決定。予定していたクロスオーバーEVの生産をメキシコに移した。ところが、北米にはもう1つEV生産ラインが必要ということになり、フラットロックを選んだ。予定されていたAV商用車生産は、ミシガン州南東部の工場に移す。
慌ただしい動きは、実証されていない先進技術の需要の判断は難しく、計画が二転三転することをよく表している。多くのメーカーは、消費者は「ロボットカー(AV)」への恐怖を克服する、売れ行きの悪いEVもいずれは受け入れられると、数兆ドル単位の賭けを続けている。
オートトレーダーのエグゼクティブアナリスト、ミシェル・クレブス氏は「EVは売れ行きが振るわないが、多くの人がいずれ伸びると確信している。AVに関しては、飛び立つまでの滑走路が予想よりずっと長いことが明らかになりつつある」と話す。
■AV計画は不透明
フォードは、食料品をはじめとする商品の配達に使えるAVを21年に発売すると言い続けている。メキシコ工場では、スポーツ車「マスタング」の流れをくむクロスオーバーEVが20年から生産される予定だ。
フラットロックでは、23年までに9億ドルを投じ、17年当時の発表通り900人を新規に雇用する予定だ。生産するのはAVでなく「マスタング」のEVモデルになる。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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