スマートフォンを使った認証機能が多様化している。最近では、スマホによる支払いは言うまでもなく、行政機関での身分(ID)確認やホテル客室のドア解錠がスマホでできるようになった。そうした中、米国の一部の州では自動車運転免許証をスマホに移す動きがある。利用者は、アンドロイドOSで動くスマートフォンか「iPhone(アイフォーン)」の画面に免許証を表示できるようになる。
ウォールストリート・ジャーナルによると、デラウェア州は、ID認証技術を提供するアイデミア(Idemia)と提携し、運転免許証をスマホで提示するシステム「mDL(Mobile Driver’s License)」の試験運用を開始した。現在は州内の一部地域で限定的に実施されているが、州政府は2019年末までに全州で実施する予定だ。
mDLは、既存の免許証の画像をスマホ画面に表示するのではなく、免許証所有者が、既存の運転免許証と自身の顔を正面と横から撮影した画像をスキャンするだけで、双方向機能付きの免許証を表示する。
懸念されるデジタル個人情報の取り扱いについては、既存の免許証に記されている以上の情報を免許証を発行する陸運局が集めないことを公約している。デラウェア州は従来型の免許証も引き続き発行する。
mDLシステムでは、画面に表示された免許証の一部に触れるとスキャン用バーコードが表示され、確認側はそれをスキャンして情報を確認できる。
アイデミアは現在、アイオワやオクラホマを含むいくつかの州とも提携してmDLの導入を進めている。同社は既存の運転免許証管理システムを35州で提供しており、mDLを年内に10州に増やしたい考え。
一方、アイデミアの同業であるオランダのジェムアルト(Gemalto)も、類似のシステムをルイジアナなど3州に試験的に提供している。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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