人工知能職人材の確保に苦労している会社は,自閉症の人々に着目している。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アーンスト&ヤングやクレディ・スイス、デル、マイクロソフト、DXCテクノロジーズなどは、独自に整備し たニューロ・ダイバーシティ雇用策(neurodiversity programs)のもと、人工知能専門職に自閉症の求職者たちを積極的に採用している。
欧米の大企業のあいだでは、年齢や性別、人種の人材多様性拡充策を数十年前から実施している。ニューロ・ダイバーシティは、自閉症が障害ではなく、性別や人種の違いなどと同様、一つの社会的カテゴリーとして捉えている。
自閉症の人の多くは、集中力が強く、技術について非常にすぐれた理解力と分析的思考力を持ち、数字に強い傾向もある、と数社の人材採用担当者が話している。
自閉症者はまた、単純作業を長時間にわたって集中して処理する能力にもすぐれている。たとえば、機械視認用の写真や動画のタグ付けといった職務に向いている。
なかには、論理的思考や傾向認識に非常に長けた自閉症もいる。そういった人材は人工知能モデルの構築や試験に向いている。
人工知能やデータ科学、そのほかの関連職種では人材が逼迫している。いくつかの技術会社では人材不足解消のため、費用や教材、専門知識を提供して専門履修課程を大学に開設して人材育成に取り組んでいる。
ニューヨークの非営利団体インテグレイト自閉症雇用アドヴァイザーズ(Integrate Autism Employment Advisors)のマルシア・シャイナー創設者兼代表によると、特定分野ですぐれた分析能力を持つ自閉症の人が有望な労働力になることを認識し始めた会社は増えており、現在、40~50社がニューロ・ダイバーシティ策を実施している。
【https://www.wsj.com/articles/people-with-autism-are-hot-hires-for-ai-jobs-11564651804】 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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