グーグル(Google)は、ロボティック業務過程自動化(robotic process automation =RPA)技術を開発するシリコン・バレー新興企業オートメーション・エニウェア(Automation Anywhere)と複数年にわたる戦略提携を結んだ。
RPAとは、これまで人間がパソコンを使って事務処理してきた単調な反復作業を自動化する技術だ。
ベンチャービート誌によると、グーグルは3月15日、企業向け市場にRPAを広めることが同提携のねらい、と説明し、オートメーション・エニウェアのプラットフォームをグーグル・クラウドで提供するとともに、人工知能とRPAを活用する製品の共同開発を模索する方針を明らかにした。
マッキンゼーの調査報告書では、すべての職業の約60%において業務活動の少なくとも3分の1が自動化できると報告された。また、セールスフォースが行った調査では、回答したIT部門の責任者の95%がワークフローの自動化を優先しており、また、回答者の70%が、自動化技術によって従業員一人につき週あたり4時間以上の作業時間が節約されていると見積もった。
グーグルは、今回の提携を通じて、オートメーション・エニウェアのロー・コードまたはノー・コードの開発ツールや人工知能ワークフロー作成ツール、API(application programming interface)管理ツールを提供していく。両社はまた、業界特有のニーズに対応するツールも共同開発する計画で、特に金融サービスや供給網、医療および生命科学、小売り、公共分野に重点を置く。
オートメーション・エニウェアは今後、グーグル・クラウドを自社プラットフォーム向けの優先クラウド・プロバイダーに位置づける。また、グーグル・クラウド・マーケットプレイスにも製品を提供し、クラウド環境やハイブリッド環境、現場設置型環境のすべてに製品を供給できるようにする。グーグルがオートメーション・エニウェアと提携したことは、RPA分野で活発に動いている競合他社への対抗姿勢を示した動きといえる。マイクロソフトは最近、RPA分野の新興企業ソフトモーティヴ(Softomotive)を買収し、IBMはWDGオートメーション(WDG Automation)を買収した。
また、オートメーション・エニウェアの競合社ブルー・プリズム(Blue Prism)は、これまでに1億2000万ドル以上を調達した。そのほか、クライオン(Kryon)は4000万ドル、フォートレスIQ(FortressIQ)は3000万ドルを調達している。さらにユーアイパス(UiPath)は2020年7月に7億5000万ドルを調達して、累積調達額20億ドル、評価額 350億ドルとなった。
(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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