二人の米国人作家が6月27日に、オープンAI(OpenAI)をサンフランシスコ連邦地裁に提訴した。同社は、世界中で劇的に広まっている生成人工知能チャットボットのチャットGPT(ChatGPT)を「訓練」するために原告らの作品を無断で使った、と原告団は主張している。
ロイター通信によると、マサチューセッツ在住の作家であるポール・トレンブレイ氏とモナ・アワド氏は、チャットGPTが何千冊もの本から複製した著書データを許可なく採掘して学習したことで、作家らの著作権を侵害した、と訴えている。
原告団のマシュー・バタリック弁護士と、オープンAIの代表は取材に応じていない。
生成人工知能を訓練するには、膨大な量のデータが不可欠だ。生成人工知能は、データを学習することで知能をみがく。生成人工知能の訓練に転用されるさまざまの作品や資料をめぐっては、すでに複数の異議申し立てがある。これまでの原告には、ソース・コードを書いたプログラマーたちや視覚作家(視覚芸術家)たちが含まれる。
チャットGPTは、利用者のテキスト・プロンプトに会話形式で応答する。チャットGPTは、市場投入からわずか2ヵ月後の1月には活発利用者数が1億人を突破し、史上最速で利用者数1億人を獲得した消費者向けアプリケーションになった。
チャットGPTに代表される生成人工知能システムは、インターネットからかき集めた大量のデータから学んだ内容をもとに回答やコンテントを生成する。
トレンブレイ氏とアワド氏の訴状によると、オープンAIの学習データには30万冊以上の書籍が含まれており、そのなかには、著作権で保護された書籍を許可なく提供する違法の「影の図書館」から転用されたものも含まれている。
両氏は、チャットGPTが両氏の著作について「非常に正確な」要約を生成でき、それがデータベースに掲載され、利用者らに提供されることから、両氏の著作権が侵害されている、と説明した。
両氏の訴えは、オープンAIが生成人工知能を訓練するために膨大な量の著作物を無断で使っていることから、著作権保有者たちを代表する集団訴訟になる可能性もある。両氏は、不特定の金銭的賠償を求めている。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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