米実業界、トランプ次期政権に備える 〜 関税や人工知能規制での影響を視野に

ドナルド・トランプ氏の米大統領再選が決まったことを受けて、実業界は直近および長期におけるさまざまの影響に対する備えを開始した。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、政権交代の影響が最初に表れる分野の一つとみられているのが関税だ。関税は、ホワイトハウスが連邦議会の承認を得なくても大統領権限によって導入できる。トランプ次期大統領は選挙運動中に、中国に対し少なくとも60%、他国に対して20~30%の関税を提唱した。それらが実現すれば、1930年代以来、最高の関税率となる。

パソコンからスマートフォンまで米企業らは外国製IT機器に大きく依存しているため、それらの価格が上がれば、米国内企業らの技術予算に影響する。

デルのジョン・ローズ最高技術責任者は、「供給網のひっ迫から関税まで、われわれはこれまで何が起ころうと対応できてきた。今回も適応する」と話している。

そのほか、人工知能の開発にも政権交代の影響があるかもしれない。トランプ次期政権は、人工知能をはじめ、技術大手らや新興技術会社らの動きを監督するという点において比較的穏健な姿勢を示し、技術革新を阻害しないことを重視する可能性がある。バイデン政権では、個人のプライバシーや国防にかかわるさまざまの脅威を管理するための人工知能規制を導入した。トランプ氏は、その大統領令を解除する方針をすでに打ち出している。

それが撤廃されれば、官僚主義を排除して各種製品の市場投入が加速する半面、人工知能モデル群の安全性や偏見を確認する責任を民間企業が背負うことになる。したがって、少なくとも適切な手法が確立するまでのあいだは、民間企業が慎重に動かざるを得ない可能性がある。

ただ、人工知能に関する規則がまったくなくなるわけではない。「真の変化は、人工知能を規制する役割りが各業界の規制当局に移行することだ」と、ブルッキングス研究所の上席研究員マーク・マッカーシー氏は指摘する。つまり、バイデン政権のようにホワイトハウス発の規制ではなく、トランプ政権では、雇用や金融の規制当局がそれぞれの分野における人工知能の運用状況を監視することを意味する。

(Gaean International Strategies, llc社提供)

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