中国所有の船舶、台湾やバルト海で海底ケーブルを切断 〜 反社会的犯罪組織のような横暴を世界で展開

台湾当局によると、中国所有の船舶が台湾近海で光ファイバー・ケーブルを切断した。通信用海底ケーブル切断事件は意外に頻発している。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、数週間前にはバルト海でデータ・ケーブルが切断されており、その事件でも、犯人は中国とみられる。

▽台湾への嫌がらせ

海底ケーブルは、発電所や上下水道、道路、橋といった伝統的な重要社会基盤と同じとみなされており、あいつぐ切断事件を受けて被害に関する注意が喚起されている。

中国は、台湾を自国領土と主張し、対台湾影響力を強めるべく、長期的かつ多角的な圧力活動を台湾に対して展開している。簡単に言えば、台湾への嫌がらせといじめだ。1月4日に起きた今回の海底ケーブル切断事件は、北京による台湾工作の一環とみられる。

北京は、台湾がもともと中国の一部であり、それら二つを再び統一することが地域の平和につながる、と吹聴しているが、台湾が中国の一部だった歴史的事実はない。

▽香港が所有するカメルーン船籍、乗組員は全員中国人

台湾当局によると、香港が所有するカメルーン船籍の貨物船は、台湾とほかの国々を結ぶ10本以上の海底通信ケーブルのうち1本を切断しているところを発見された。乗組員7人は全員中国人だ。捜査はまだ続いているが、これまでの調べでは、その貨物線がケーブルを故意に切断したことは間違いないとみられる。

海底ケーブルの切断によって引き起こされるインターネット接続遮断は、複数の国々にまたがる何億人という利用者や会社らに大きな打撃をあたえる。台湾では、中国による侵攻に備える机上模擬戦争において、インターネット接続が遮断されることを想定して訓練している。

▽海底ケーブル破壊は中国のお家芸

中国による対台湾圧力行為を追跡するスタンフォード大学シーライト(SeaLight)のレイ・パウエル責任者(元米空軍大佐)によると、今回拿捕された貨物船は、過去6ヵ月間に少なくとも二つの名前と二つの異なる旗、6つの異なる識別番号で航行していた。船籍を偽装するためだ。

パウエル氏は、中国にとって海底ケーブル破壊工作が「お気に入りの戦法になっている」と指摘する。同氏はまた、そういった手口を「グレイ・ゾーン戦法(gray zone warfare)」と表現する。武力行使なしで打撃をあたえることができ、摘発もされにくく、報道も小さいという利点があるためとみられる。

▽バルト海やフィンランド湾でも切断即逃亡

海底ケーブル切断事件は欧州の海、特にバルト海で頻発している。欧州の捜査当局によると、中国所有の貨物船2隻が2024年11月に海底ケーブルとパイプラインを切断した。切断されたケーブルは2本の光ファイバー・データ・ケーブルで、1本はスウェーデンとリトアニアを結び、もう1本はフィンランドとドイツを結んでいる。

北京は、中国所有船がそれらの犯罪にかかわった可能性を否定している。

2023年10月には、香港籍のコンテナ船ニューニュー・ポーラー・ベアが、フィンランド湾の海底でイカリを故意に引きずって、バルチック・コネクターの天然ガス・パイプラインとデータ・ケーブルを損壊して告発された。同船はすぐに逃走し、ロシアに向かった。そのコンテナ船は結局、逃げ切り、調査されることはなかった。

▽台湾、人工衛星通信への移行を模索

台湾の海底ケーブル破壊被害は今回が初めてではない。台湾では2023年に、離島につながる2本の海底インターネット・ケーブルが中国の漁船と貨物船によって切断され、離島へのインターネット・サービスが数週間にわたって停止させられた。

台湾国家科学技術委員会の呉成文委員長によると、台湾は、海底ケーブルへの依存度を下げる一つの選択肢として、アマゾンの人工衛星通信サービス「プロジェクト・カイパー(Project Kuiper)」と協力する可能性を協議している。

(Gaean International Strategies, llc社提供)

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