販売店での交渉時間を短縮せよ〜車の購入、もっと簡単に
- 2013年3月26日
- 自動車関連
車の購入にかかる時間を縮めるため、業界はさまざま新しい方法を試みている。 ウォールストリート・ジャーナルによると、価格交渉、ローン手続き、車のテクノロジーに関する説明や指導など、ディーラーで車を購入する時に要する時間は、新車の場合で平均2〜3時間に上る。JDパワー&アソシエイツの調べでは、ショールームでの交渉時間は2010〜12年に12.5%も伸びた。グーグルのデータでは、新車購入者の80%以上はディーラーに行く前に平均18時間をオンラインでの情報収集に費やしている。 こうした状況を受け、チェーン販売店の最大手オートネイションは、販売にかかる時間を半分に短縮することを目指している。具体的には、ステッカーで表示されるメーカー希望小売価格ではなく市場と連動した価格で販売する戦略を導入し、ローンやリースの種類も新しいソフトウェアで迅速に提示できるようにした。マイク・ジャクソン最高経営責任者(CEO)によると、最近の消費者は非常に価格に詳しく、事前に十分研究しているため「愚か者のために作られたような手続きは嫌がる」という。 一方、同業のグループ1オートモーティブは、スマートフォンで買い物をする人のために大規模なコールセンターをオープンする。同社では12年、電話での問い合わせが前年比で14%増えており、スマホで問い合わせてきた人を素早く最寄りのディーラーにつなぐのが狙いだ。また、ディーラー向けにeコマース・ソフトを販売するディーラー・コムのリック・ギブス最高経営責任者(CEO)によると、店の提示価格を紙に書いて示すディーラーは減っており、タブレット型情報端末などのソフトの「ペンシルツール」の利用が増えている。店員はこうしたソフトで古い車の下取り価格や頭金といった変数を素早く調整できると同時に、関連情報は販売マネジャーにも送られるため、価格決定で上司と相談する時間が減らせる。 消費者にも、値段交渉の時間を省こうとする人が増えている。コストコ・ホールセールには、値引き販売に合意した2700店のネットワークにアクセスできるディーラー紹介サービスがあり、12年12月には8万7000人が利用した。また、オンラインで提供される価格情報の精度は着実に上がっている。トゥルーカー・コムによると、ディーラーが販売する最高価格と平均販売価格の差は00年の2361ドルから13年には1203ドルに縮まり、20年にはわずか172ドルになるとみられている。
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