アイパッド、個人商店でもレジに変身 〜おしゃれな外観と高い機能性
- 2013年4月23日
- ハイテク情報
小売店での決済にタブレットを導入する店舗が増えており、これまで支払いカウンターに置かれていた大きなキャッシュ・レジスターが時代の遺物となり、新たな決済システムが浸透しつつある。
ニューヨーク・タイムズによると、アップル(Apple)のアイパッド(iPad)を決済処理機として使い始めた小売店が増え始めたことを受けて、アイパッドを使いやすくするための周辺器具が質と量ともに充実している。
タブレットをレジとして使っている店舗は、ドーナッツ屋から百貨店まで広範いわたり、その設置方法も壁掛けから、卓上照明のように回転できるものまで多種多様だ。
オレゴン州ポートランドの市街に店を構えるココ・ドーナッツでは、レジとして使われるアイパッドが壁上のレールに取り付けられ、カウンターから消費者のいる場所までスライドさせられる。消費者は支払いカウンターに移動することなく、アイパッド画面上でクレジット・カード支払いの署名をして決済を完了できる。
また、一部のデザイナーは、竹を使ったアイパッド・ケースを作成し、環境配慮を打ち出したレジ用アイパッド取り付け器を出している。そのほかにも、レジ用アイパッドがまったく目立たないような取り付け器を設計するデザイナーもいる。
モーリー・ムーンズ・ホームメイド・アイスクリームの場合、カシオ製レジの代わりに6つのアイパッドを導入。手製の合板台に取り付けておしゃれで小型のレジに仕立てあげた。
レジは1800年代にオハイオ州の商人が従業員による現金盗難に備えるために発明された。20世紀に入ってから電化製品となり、近年では指触操作型の機種も開発されている。
それでも、大きくて重く、見栄えの良くない外見はさほど変わっていない。そこにアイパッドが登場してレジ市場を激変させようとしている。
アイパッドをレジとして使うことで、遺物化した従来型レジが不要となり、支払いカウンターを広く便利に使えるようになるという利点もある。
また、昨今では、スクエア(Square)のように、小売店がスマートフォンやタブレットを使って、消費者のクレジット・カードを読み取って決済する方法も普及しており、クレジット・カード会社への手数料を回避できるという利点も小売店側にもたらされている。
現在、レジとして使われるタブレットではアイパッドが圧倒的な占有率を握っているが、グーグル(Google)のアンドロイド(Android)OSを搭載したタブレット向けの販売地点システム(POS)を開発する新興企業ゴーパゴ(GoPago)も台頭しており、今後はアンドロイド環境のレジ・システムが増えるとみられる。
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