グーグル・グラスの業務用途に期待 〜ハンズ・フリーでの作業を可能に
- 2013年5月30日
- ハイテク情報
グーグル(Google)が開発中のグーグル・グラス(Google Glass)は、今のところ消費者向けの製品になると目されているが、いずれは様々なタスクをハンズ・フリー(手を使うことなく)で行うための業務用技術として使われるようになる可能性が高いと指摘される。
コンピュータワールドによると、スマートフォンやタブレットが企業ITの世界で活用されるようになったのと同様に、グーグル・グラスも業務用途を見いだし企業市場で使われるようになる、と451リサーチのクリス・ヘーゼルトン研究部長は予想する。「その結果、グーグル・グラスを管理するためのツールも開発されるだろう」と同氏は話す。
グーグル・グラスはアンドロイド(Android)OSで動作するため、アンドロイド搭載のスマートフォンやタブレット向けの管理ツールは、グーグル・グラスの管理ツールとして比較的容易に移行できる可能性もある。
クラウド基盤のモバイル機器管理プラットフォーム「MaaS360」を開発するファイバーリンク(Fiberlink)は、グーグル・グラスをすでにサポートしており、企業各社のIT管理者が会社のモバイル機器をハンズ・フリーで監視および管理できるようにしている。
「モバイル環境を目の前で見て、利用者や機器、アプリケーション、さらに会社の文書が安全に管理されていることをハンズ・フリーで確認できることはすばらしい機能だ」と、ファイバーリンクのアンドロイド製品担当者であるフランク・シュローンドーン氏は話す。
グーグル・グラスを介してMaaS360を使うと、たとえば、従業員がスマートフォン紛失を届け出た場合に、IT担当者がグーグル・グラスで所在地を突き止め、目の前の仮想スクリーンで確認できる。
また、新たなモバイル機器が企業通信網に接続されていることを探知し、セキュリティ基準に準拠しているかどうかを確認したりすることも可能だ。
ファイバーリンクのプラットフォームは現時点ではウェブ基盤インターフェイスでのみ提供されているが、グーグル・グラスのソフトウェア開発者キットが公開されれば、外部開発業者らが専用アプリケーションを開発できるようになる。
ハンズ・フリーの作業を可能にするというグーグル・グラスの特徴が様々な用途の扉を開くことになるだろう、とヘーゼルトン氏は期待を寄せる。
「電柱や通信塔の上で作業中の技師は手を離せない危ない状況にある。そういう職務環境では、身体装着型のデジタル端末から必要情報を入手できるという用途も考えられる」と同氏は話す。
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