フラッキングに区画規制適用〜NY州控訴裁が容認

 ニューヨーク州控訴裁は6月30日、州内の自治体は区画規制に基づいてフラッキング(水圧破砕法)によるシェール・ガス掘削を禁止できるという判断を下した。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、同州北部のドライデンとミドルフィールドという町が2011年、フラッキング阻止を目的に区画規制を修正したことを受け、ドライデンにガス掘削権益を持つノース・エナジーの管財人とミドルフィールドの地主であるクーパーズタウン・ホルスタインが両自治体を訴えていた。

 原告側は、自治体の区画規制より州の石油・ガス・溶液採掘法に従うべきと主張したが、1、2審とも自治体側の言い分が支持されたため、州の最上級裁判所である控訴裁に上訴していた。

 ニューヨーク州には、世界で最も天然ガスが豊富なガス田の1つ、マーセラス・シェールの20%がある。今回の判断を受けて区画規制を根拠にフラッキングを取り締まる自治体が増えるとみられるため、石油・ガス業界の関係者は「州内の関連業界への投資が萎縮する」と懸念している。

 フラッキングは米国のエネルギー景気を支えている技術だが、地下水を汚染し環境に害を及ぼすと反対する声も多く、州内では170を超える自治体が区画規制を盾にこれを禁止または凍結している。

 区画規制のこうした適用が認められたのは、北東部ではペンシルベニアに続いて2州目で、コロラド州でも現在同種の裁判が進行中。

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