デイリーニューズの競売辞退〜1ドルでも高いとケーブルビジョン

 ケーブルテレビ大手ケーブルビジョン・システムズが、ニューヨーク市の大手タブロイド紙ニューヨーク・デイリー・ニューズの競売から外れる意向であることが13日までに分かった。

 ロイター通信が関係者の話として伝えたところによると、ケーブルビジョンは今年3月、1ドルを提示して競売に加わったが、同紙の事業の可能性を精査した結果、どう見ても採算は取れないと判断した。来週の2回目の応札期限を前に競売からの辞退を計画している。

 ケーブルビジョンはすでにニューヨーク州ロングアイランドを拠点とする地域紙ニューズデイを所有しているが、デイリー・ニューズの経営の現況と見通しがあまりにも悪いためたとえ1ドルでも払う価値はなく、高価な最新式の印刷機とともに買収したとしても利益は出せないとの結論に至ったという。

 デイリー・ニューズを所有するニューヨークのメディア/不動産王モーティマー・ザッカーマン氏は、この2月に同紙の売却を検討していると発表。ケーブルビジョン以外にも首都ワシントンの日刊紙ザ・ヒルを所有するジミー・フィンケルスタイン氏、実業家のジョン・キャツィマティディス氏、匿名の不動産王などが今も競売に関わっているもよう。

 デイリー・ニューズは収入をスタンド販売に大きく依存しているが、発行部数が減少しており、現在は年間損失が3000万ドルと言われている。

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