サイバー保険市場、20年には3倍に〜グーグルなどの参入も

 サイバー攻撃によるリスクを補償するサイバー保険市場は2020年までに今の3倍に拡大し、保険料総額が75億ドルに達するという予想をコンサルティング大手プライスウォーターハウスクーパーズ(PwC)が発表した。業界が迅速に商品を開発しないと、グーグルのような外部企業が参入する可能性もあるという

 ロイター通信によると、保険会社や再保険会社が現在提供するサイバー保険は、保険料が高い上、考えられる損失の補償額に上限を定めているため加入に消極的な企業が多く、保険会社の中にはリスクを恐れて市場に参入さえしていないところもある。

 PwCは「保険業界が対応に時間をかけすぎると外部企業の参入が始まり、積極的な値下げや好条件の提供などで市場を支配する可能性がある」と見ている。特に20~30歳代のミレニアル世代は、従来の保険会社よりグーグルやアップルといったブランドを信頼する傾向が強い。

 PwCの保険業界担当者は「グーグルはかなり創造性を働かせてくると想像できる」と話し、サイバーリスクの算定でも保険会社より体制が整っている可能性があるという。14年はサイバー保険の掛け金が25億ドルに上り、そのほとんどをデータ侵害の報告義務づけによってサイバー攻撃の危機意識が高まった米国が占めたが、今後は欧州連合(EU)にも同じ動きが表れる見通しで、市場の成長に大きく寄与すると見られている。

 ドイツの保険大手アリアンツが最近発表した報告書は、サイバー保険市場は25年までに200億ドルに拡大する可能性があると予想している。

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