送油管の建設ブームに陰り〜キャパシティ過剰に

 石油生産の縮小や原油価格の低下が、パイプライン(送油管)の需要にも影を落としている。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、米国では2008年に始まったシェール(けつ岩層)掘削ブームでノースダコタやテキサス西部などを中心に石油パイプラインの新規需要が激的に高まり、09〜14年に約1万4000マイル(26%)延長された。

 しかし、多くの需要はすでに満たされており、原油価格が50%下落したことを受けて産油量も減少が始まっている。1年前はパイプラインが足りず、くみ上げた石油が足止めされることも多かったパーミアン盆地(テキサス州)では、この1年だけでメキシコ湾岸の製油所に輸送するためのパイプラインの輸送量が1日75万バレル(bpd)分も増加。コンサルティング会社RBNエナジーのアナリストは「今はパイプラインを満たすほどの原油はない」と指摘する。

 またノースダコタのバッケン・シェールでは、エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズがオクラホマまでのパイプライン建設計画を発表したが、数カ月後に原油価格が大幅に低下したため、荷主の関心が薄れると見て計画を棚上げに。現在は3つの大きな敷設計画が進行しているが、市場調査BTUアナリティクスのシニア・アナリストは「バッケンで生産される石油は2つのパイプラインだけでほぼすべて輸送できる」と見ている。

 エンタープライズが計画する3つの計画はいずれも東海岸や西海岸へは行かないため、建設されても一部の石油は鉄道輸送が続く可能性も高い。

 一方、コロラドのDJ盆地では、17年までにパイプラインの輸送量が70万bpd増加し、生産量を50%上回る可能性がある。

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