マイクロソフト(Microsoft)は法人顧客向けに「IoTスイート(IoT Suite)」を提供し、企業によるスマート端末やモノのインターネット(IoT=Internet of Things)活用を支援している。
ビジネス・インサイダー誌によると、IoTスイートはアジュール(Azure)クラウド向けの接続端末用システムで、接続端末によって収集される膨大な量のデータの活用を支援する目的で開発された。
スマート端末やIoT導入とそれらの活用のための技術的設定のほとんどをアジュールが実行することから、利用企業は専門家を雇う必要がないという大きな利点がある。
エレベーター大手のティッセンクルップ(ThyssenKrupp)は、100万基以上のエレベーターの点検にIoTスイートを活用している。スマート検出器をエレベーターに取り付け、扉開口の速度からシャフトの調整にいたるさまざまの要素を追跡することで、故障する前に適切に修理できるようにしている。
一方、マイクロソフトのアジュールIoT担当部長サム・ジョージ氏は、スマート端末導入によって期待される「副次的収入源」として、端末で収集するデータの活用を挙げる。
たとえば、ある気象予報企業は、雨天予測モデル改良を目指し、降雨状況を幅広く調べるために自動車メーカーと提携し、自動車メーカーが顧客車両から収集するワイパー使用データへのアクセスを取得し、雨天予想の精度を上げた。自動車メーカーにとっては、既存データから予期せぬ収入を得られることになった。
ジョージ氏によると、マイクロソフト自身はそういったデータの販売業に乗り出す計画はいまのところないという。
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