交渉持ち込みへ情報戦術 武装勢力、通信社通じ

 【共同】アルジェリア人質事件で、イスラム武装勢力は隣国モーリタニアの通信社を通じ、アルジェリア軍との戦闘に関する情報をリアルタイムで流し続けた。緊迫した状況を国際社会に広め、アルジェリア当局などに圧力をかけることで、フランスによるマリ軍事介入停止に向けた交渉に持ち込もうとする意図があったとみられる。

 「数分前に軍がヘリコプター攻撃を始めた」。軍特殊部隊が作戦を本格化させた17日、モーリタニアのヌアクショット通信は、武装勢力の情報を基にこう報じた。同通信は16日に事件の発生を報じて以来、武装勢力側の情報を逐一、ほぼ独占的に伝え、世界がアフリカにある小国の一通信社の報道ぶりを注視した。

 国際テロ組織アルカイダ系などの武装組織は、事前に準備した犯行声明やビデオ映像をネットで発表することが最近は一般的。通信社の取材に応じる形で攻撃の状況を細かく世界に伝えるやり方は異例だ。

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